君とベビードール
あたしに視線を戻した准さんは、
「あれは、僕の妹だよ。今年22になるんだ。」
「……。」
言葉を無くしたあたし。
「綺麗なのは、僕に似てるんだから当たり前だろう?」
なんて、余裕で微笑む。
「それに君、逆だよ。僕が妹に見せている顔は、普段の僕。君に見せている顔が、君だけの僕だよ。それだけ君が僕と一緒にいるってことだよ。」
わかった?噛んで含ませるように、あたしに囁く。
「…でもっ!ベビードールが…」
「あれは、僕の部屋に来た妹が面白がってつけたんだよ。」