君とベビードール
この前来た時と、同じようにローテーブルの前に座って、
「あ、先生、これ美味しい紅茶なんです。良かったら。」
紅茶葉の缶を手渡した。
「わざわざ良かったのに。でも、ありがとう。早速、いれるよ。」
って、微笑んだ、先生。
何だか、あたしが学生の時は、今ほど柔らかい表情じゃ無かったなぁ。先生。
どうやら、あたしは先生の顔を凝視していたらしい。
「…僕の顔に何かついているのかい?」
怪訝そうにあたしに尋ねた。
「いっ、いえっ!!」
顔の前で、両手を振った。