君とベビードール
それは、卒業式の一週間前のこと。
朝から、体調が悪かったあたしは、卒業式の練習の場で、倒れてしまった。
気がつくと、保健室のベッドの中にいて、保健室の堂島先生が、傍らにいた。
目を開けたあたしに、
「気がついた?大丈夫?清水さん、貧血を起こしたのよ。」
あたしのおでこに触れて、
「熱は無いわね。もう少し寝ていた方がいいわよ。後で、柳井先生が来て下さるわ。」
堂島先生からは、柔らかい花の香りの香水が漂っていて、それがとてもよく、似合っていた。