君とベビードール




「…確かに、君は僕を振ったでしょう…?」



軽く、ため息を吐く先生。




「…振ったのは、先生の方ですよ…。」



じと目で睨んだあたしに、



「いや、間違いなく、君だよ。だって君、最後にノートに書いた言葉を覚えているかい?」



先生は、あの時のノートを、ベッドの横のチェストから取り出した。




てか!現物を持ち出さないで下さいよ!!



恥ずかしすぎるよ!穴があったら、入りたいし!地下の地下まで潜りたいし!!




最後のページを開いた先生は、そのままあたしの鼻先にノートを突き出した。
< 85 / 240 >

この作品をシェア

pagetop