私を抱かないと新曲ができないって本当ですか?~イケメン作曲家との契約の恋人生活は甘い~
すぐにカチャカチャ音がしはじめる。
キッチンで藤崎さんがコーヒーの準備をしてくれてるみたいだ。
しばらくすると、コーヒーの良い香りが漂ってきた。
藤崎さんが戻ってきた音がして、保冷剤を取ると、彼はコーヒーをテーブルに置いて、横に座ったところだった。
「コーヒーできたよ」
「ありがとうございます」
優美な形のお揃いの白いコーヒーカップ。
用意してあったミルクと砂糖を入れて、一口飲む。
少し苦みがあるマンデリン系の豆のようで、私の好きな深いコクが心を落ち着けてくれた。
「おいしい……」
「それはよかった」
藤崎さんがまぶしい笑みを浮かべて、私の目もとに手を伸ばした。さっきまでの不遜さは消え失せた、ただただ甘い顔。
「だいぶ腫れが引いたね」
まぶたをたどる優しい手つきに、ぽーっとなりかけるけど、そもそもこの人のせいだから!と気を取り直す。
(だいたいさっきから気軽に触りすぎじゃない?)
距離感がおかしい。そう思うものの、完全には拒否できない。
憧れてた人に優しくされて、拒否できるわけがない。
藤崎さんは話があると言ったわりに、それ以上は言葉を続けず、なにか考えるようにコーヒーをすすった。
私からはなにも言うことはないので、黙っておいしいコーヒーを味わった。
この状況はなんだろうと思いながら。
キッチンで藤崎さんがコーヒーの準備をしてくれてるみたいだ。
しばらくすると、コーヒーの良い香りが漂ってきた。
藤崎さんが戻ってきた音がして、保冷剤を取ると、彼はコーヒーをテーブルに置いて、横に座ったところだった。
「コーヒーできたよ」
「ありがとうございます」
優美な形のお揃いの白いコーヒーカップ。
用意してあったミルクと砂糖を入れて、一口飲む。
少し苦みがあるマンデリン系の豆のようで、私の好きな深いコクが心を落ち着けてくれた。
「おいしい……」
「それはよかった」
藤崎さんがまぶしい笑みを浮かべて、私の目もとに手を伸ばした。さっきまでの不遜さは消え失せた、ただただ甘い顔。
「だいぶ腫れが引いたね」
まぶたをたどる優しい手つきに、ぽーっとなりかけるけど、そもそもこの人のせいだから!と気を取り直す。
(だいたいさっきから気軽に触りすぎじゃない?)
距離感がおかしい。そう思うものの、完全には拒否できない。
憧れてた人に優しくされて、拒否できるわけがない。
藤崎さんは話があると言ったわりに、それ以上は言葉を続けず、なにか考えるようにコーヒーをすすった。
私からはなにも言うことはないので、黙っておいしいコーヒーを味わった。
この状況はなんだろうと思いながら。