私を抱かないと新曲ができないって本当ですか?~イケメン作曲家との契約の恋人生活は甘い~
カチャ
ドアが開いたような音がした。
もう誰もいないと思ってたのに、と慌てて涙を拭い、振り向くと、驚いた顔の藤崎さんがいた。
一番会いたくなかった人が。
「どうして泣いてるの?」
藤崎さんが近づいてきて、指で私の頬を拭う。その繊細な指先は優しくて、さっきのことがウソみたいだ。
でも、ここにこの人がいるってこと自体がウソじゃない証拠だった。
「あなた、が……!」
咎めるように見ると、彼は困ったような顔をした。
「僕のせい? ごめん……君がピュアなのを忘れてたよ。っていうか、君があんまりTAKUYAのことをキラキラとした目で見てるから、いじわるしちゃった。ごめんね」
(いじわるって……)
ぽろっとこぼれた新たな涙を優しい手つきで拭われ、髪をなでられて、大好きな……大好きだった声が耳もとでささやく。もう一度「ごめん」と。
背中をさすられて、髪や頬や瞼に口づけられる。
それでも、泣き止まない私に、藤崎さんは歌を歌い始めた。
子守唄のようにゆっくりとした優しい歌。
(聴いたことがない曲だから即興なのかな)
ゆるやかな甘い声が耳をくすぐる。
さっきあんな下衆なことを言ったとは思えない、とても優しい声。
バカな私はすぐにそれに聴き惚れてしまう。
ひどく傷つけられた人に慰められているという不思議な状況。
しかも、カリスマミュージシャンが私だけのために即興で曲を作って歌ってくれているなんて。
そんなありえない状態の中、徐々に涙が止まっていった。
まんまと藤崎さんの歌に慰められてしまう。
「落ち着いた?」
藤崎さんが顔を覗き込んできて、ついでのようにキスをした。
「……ッ!」
なんでこの人は突然こんなことをするようになったの?
この間まで普通だったのに。
だいたい身体を求めることを『いじわる』とか言わないし!
落ち着いてきたら、だんだん腹が立ってきた。
「藤崎さんっ!」
顔を上げて、文句を言おうとしたら、すごく距離が近くて、声を出す前に、また口づけられた。
今度は舌も入ってくる。
「んー! んんっー!」
抗議をするけど、聞いてもらえず、口の中を貪られる。
藤崎さんのキスは甘く淫靡で私の思考をさらっていく。
「……ふ、はぁ、はぁ……」
ようやく口を離してもらえた頃には、クラクラとしていた。
ドアが開いたような音がした。
もう誰もいないと思ってたのに、と慌てて涙を拭い、振り向くと、驚いた顔の藤崎さんがいた。
一番会いたくなかった人が。
「どうして泣いてるの?」
藤崎さんが近づいてきて、指で私の頬を拭う。その繊細な指先は優しくて、さっきのことがウソみたいだ。
でも、ここにこの人がいるってこと自体がウソじゃない証拠だった。
「あなた、が……!」
咎めるように見ると、彼は困ったような顔をした。
「僕のせい? ごめん……君がピュアなのを忘れてたよ。っていうか、君があんまりTAKUYAのことをキラキラとした目で見てるから、いじわるしちゃった。ごめんね」
(いじわるって……)
ぽろっとこぼれた新たな涙を優しい手つきで拭われ、髪をなでられて、大好きな……大好きだった声が耳もとでささやく。もう一度「ごめん」と。
背中をさすられて、髪や頬や瞼に口づけられる。
それでも、泣き止まない私に、藤崎さんは歌を歌い始めた。
子守唄のようにゆっくりとした優しい歌。
(聴いたことがない曲だから即興なのかな)
ゆるやかな甘い声が耳をくすぐる。
さっきあんな下衆なことを言ったとは思えない、とても優しい声。
バカな私はすぐにそれに聴き惚れてしまう。
ひどく傷つけられた人に慰められているという不思議な状況。
しかも、カリスマミュージシャンが私だけのために即興で曲を作って歌ってくれているなんて。
そんなありえない状態の中、徐々に涙が止まっていった。
まんまと藤崎さんの歌に慰められてしまう。
「落ち着いた?」
藤崎さんが顔を覗き込んできて、ついでのようにキスをした。
「……ッ!」
なんでこの人は突然こんなことをするようになったの?
この間まで普通だったのに。
だいたい身体を求めることを『いじわる』とか言わないし!
落ち着いてきたら、だんだん腹が立ってきた。
「藤崎さんっ!」
顔を上げて、文句を言おうとしたら、すごく距離が近くて、声を出す前に、また口づけられた。
今度は舌も入ってくる。
「んー! んんっー!」
抗議をするけど、聞いてもらえず、口の中を貪られる。
藤崎さんのキスは甘く淫靡で私の思考をさらっていく。
「……ふ、はぁ、はぁ……」
ようやく口を離してもらえた頃には、クラクラとしていた。