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家に着くと門限までギリギリの時間帯だった。急いで自転車を止める。家に入る前に美乃さんにもらったポピーはバックの中に忍ばせる。ドアを開けるとお母さんが立って待っていた。

「おかえりなさい。今日は遅かったね。」

心配そうなでもその中に少しの怒りがみえるお母さんの顔を視界いっぱいにとらえる。

「ごめんなさい。いつもと違う本屋さんに行こうと思ってすこし迷ったから遅くなりました。」

新しいことや変化をあまり気にいらないお母さんには少しの事実を教えてあまり本当のことは言わないようにといつも決めている。
本当のことを言うときっととても怒るから、怒りを最低限に抑えるために少しの事実が一番いいとわかっている。
あと、怒っていそうな時は敬語で話すことも
大事。

少し沈黙が流れる。もう一度お母さんを見る。

「‥そう、でもいつも行かないところなんてあまり行かないようにしてね。」

珍しくお母さんがあまり怒らなかった。

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