あ
少し時間を過ぎたころくらいに階段が軋む音がして廊下の方を見る。
甘いお菓子と紅茶の香りがする。遊馬さんの手元を見るとトレイの上には何かお菓子とこの前、美乃さんが出してくれたものとは別のティーカップがのっていた。
「これ、どーぞ。」
遊馬さんは机にある本を端の方に寄せてトレイを机に置く。何かわからなかったお菓子はスコーンだった。しかもそのクッキーは花びらがのっていて鮮やかなものだった。紅茶にはこの前美乃さんがしていたように花びらが浮かんでいる。一気にテンションが上がった。
「これ全部食べていいんですか?」
目を輝かせながら聞く。
「もちろん。」
一つスコーンを取って食べる。ほのかに花の香りがする、甘さは控えめで何個でも食べれそうだ。
「このスコーンとっても美味しいです!ありがとうございます。」
わたしはつい大きな声でしゃべってしまった。恥ずかしい。