ちょっと悲しい気持ちだったけど笑顔を作る。
「ありがとうございます。でも、わたしから連絡してみます。連絡先はこの前きいたので。」

迷惑をかけるわけにはいかないから自分でできることは自分でする。

「そう、ならいいけど。代わりにお菓子食べる?あと少しでできるんだけど。」

今はあんまりお菓子を欲していないけど、相手に悪いと思う。
一応、なんのお菓子か聞いてみよう。

「ちなみになんですけど、どんなお菓子なんですか?」

よくぞ聞いてくれました。と言わんばかりの顔をしている遊馬さん。

「今日はほうれん草入りパウンドケーキ。」

パウンドケーキか。重いな。でも、聞いたからには少しだけもらおう。
「では、一切れください。」

遊馬さんは少し笑う。
「少し縁側の方で待ってて。」

そう言うとダイニングルームに入って行った。



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