また笑いかけてくれる。
「お店を気に入ってくれたみたいでうれしいです。気になった花があったらなんでも聞いてね。」

「はい、何かあったら聞きますね。」
わたしも笑い返した。

わたしは目線を花に移す、そしてもう一度おばあさんを見る。
おばあさんは近くにあった椅子に座り、読書を始めた。よくみたら絵本でかわいい人だと思った。

目線を花に戻して知らない花のなかにもいくつか知っている花がある。1種類ずつちゃんと見るのは案外長い時間かかった。全ての花を見てまわり知っている花を1本、手に取ってみた。

赤色のポピー。きれいに咲いた花の香りをかいでみたけどほかの花と混ざってあまりわからなかった。


「そのポピー気に入りましたか?」

< 5 / 41 >

この作品をシェア

pagetop