あなたに、キスのその先を。
***
それが、つい三十分くらい前のこと――。
腕時計を見ると、さっき見たときから五分ほど長針が進んでいた。
と、
「日織さん」
突然、後ろからポン、っと肩を叩かれた。振り返った私は、スーツ姿のその方を見て、瞳を見開く。
だってそこに立っていらしたのは、いつもは作業服姿のはずの――。
修、太郎、さん……?」
え? どうして修太郎さんがここに?
しかも、見慣れないスーツ姿なのは……何故?
私、健二さんと待ち合わせをして……。なのに……え? え?
思わず立ち上がって一八〇センチある長身の彼を見上げたら、修太郎さんの後ろからもう一人、彼より気持ち背の低い男性が現れて。
「ちょっと兄さん、何で貴方が先に彼女に声をかけるんですか……」
話がややこしくなるでしょう、と言いながら、呆れ顔で修太郎さんを嗜めるその人も、私が存じ上げている方で。
え? でも……え? なに? どういう、こと?
いつもはお二人とも作業服姿なのに。修太郎さんと同じくスーツにビシッと身を包んだその方を見て、私はますます混乱する。
何故ならそこにいらしたのは、臨職仲間の
「――高橋、さん?」
だったから……。
それが、つい三十分くらい前のこと――。
腕時計を見ると、さっき見たときから五分ほど長針が進んでいた。
と、
「日織さん」
突然、後ろからポン、っと肩を叩かれた。振り返った私は、スーツ姿のその方を見て、瞳を見開く。
だってそこに立っていらしたのは、いつもは作業服姿のはずの――。
修、太郎、さん……?」
え? どうして修太郎さんがここに?
しかも、見慣れないスーツ姿なのは……何故?
私、健二さんと待ち合わせをして……。なのに……え? え?
思わず立ち上がって一八〇センチある長身の彼を見上げたら、修太郎さんの後ろからもう一人、彼より気持ち背の低い男性が現れて。
「ちょっと兄さん、何で貴方が先に彼女に声をかけるんですか……」
話がややこしくなるでしょう、と言いながら、呆れ顔で修太郎さんを嗜めるその人も、私が存じ上げている方で。
え? でも……え? なに? どういう、こと?
いつもはお二人とも作業服姿なのに。修太郎さんと同じくスーツにビシッと身を包んだその方を見て、私はますます混乱する。
何故ならそこにいらしたのは、臨職仲間の
「――高橋、さん?」
だったから……。