あなたに、キスのその先を。
健二さんに気を取られて気がついていなかったけれど、修太郎さんのお顔は何故か真っ赤で。
「修、太郎さん……?」
呼びかけて彼の腿にほんの少し触れたらビクッとなさった。
「あ、あの?」
え? どうして修太郎さんはこんなに照れていらっしゃるの?
私にはその理由が分からなくて、健二さんと……彼の横に座っていらっしゃる佳穂さんを交互に見つめた。
でもお二方ともクスクス笑うばかりで何も言ってはくださらなくて。
「修太郎、観念して告白なさいな。日織ちゃん、困ってるわよ?」
ややして佳穂さんが後押しなさるようにそう言ってくださると、観念なさったのか、修太郎さんがはぁっと大きく息をつかれた。
それから手にしていらしたスープスプーンをお置きになられると、私の方へ向き直られる。
私も手にしていたパンをお皿に戻して修太郎さんの方へ身体を向けた。
「日織さん、覚えていますか? 小さな貴女に僕が絵本を読んで差し上げた日のことを」
「修、太郎さん……?」
呼びかけて彼の腿にほんの少し触れたらビクッとなさった。
「あ、あの?」
え? どうして修太郎さんはこんなに照れていらっしゃるの?
私にはその理由が分からなくて、健二さんと……彼の横に座っていらっしゃる佳穂さんを交互に見つめた。
でもお二方ともクスクス笑うばかりで何も言ってはくださらなくて。
「修太郎、観念して告白なさいな。日織ちゃん、困ってるわよ?」
ややして佳穂さんが後押しなさるようにそう言ってくださると、観念なさったのか、修太郎さんがはぁっと大きく息をつかれた。
それから手にしていらしたスープスプーンをお置きになられると、私の方へ向き直られる。
私も手にしていたパンをお皿に戻して修太郎さんの方へ身体を向けた。
「日織さん、覚えていますか? 小さな貴女に僕が絵本を読んで差し上げた日のことを」