あなたに、キスのその先を。
「……?」
何をしているのだろうと日織をじっと見つめると、
「修太郎さん、ご存知でしたか? 親指だけ第一関節しかないのですっ!」
他の指には第二関節まであるのに、ですっ!と続けながら、すごく嬉しそうに日織が言う。
さも一大事だと言わんばかりに修太郎の手のひらから逃げ出して、目の前で手指を握ったり開いたりして見せると、
「ほら、ね? 親指は“く”の字にしか曲がりませんが、他の指は“コ”の字に曲げることができるんです。私、二十年以上生きてきて、さっき初めてそのことに気が付きました! 驚きですっ!」
満面の笑みを向けられて、修太郎が戸惑ったのも仕方がないだろう。
何をしているのだろうと日織をじっと見つめると、
「修太郎さん、ご存知でしたか? 親指だけ第一関節しかないのですっ!」
他の指には第二関節まであるのに、ですっ!と続けながら、すごく嬉しそうに日織が言う。
さも一大事だと言わんばかりに修太郎の手のひらから逃げ出して、目の前で手指を握ったり開いたりして見せると、
「ほら、ね? 親指は“く”の字にしか曲がりませんが、他の指は“コ”の字に曲げることができるんです。私、二十年以上生きてきて、さっき初めてそのことに気が付きました! 驚きですっ!」
満面の笑みを向けられて、修太郎が戸惑ったのも仕方がないだろう。