あなたに、キスのその先を。
(うー。調子に乗って水分を摂り過ぎてしまったのですっ)
私は何となくトイレに行きたくなってきて、皆さんに会釈してそっと席から立ち上がろうとした。けれど、身体を支えようと机についた手にも、床を踏みしめようと伸ばした足にも、嘘みたいに力が入らなくて驚く。
「あれれぇ?」
緊急事態のはずなのに、頭にもぼんやりとした霞がかかったようで、まるで危機感がわいてこない。
そればかりか、現状がおかしくなって思わず笑いまでこみ上げてくる始末。
「あ、藤原さん、もしかして酔っちゃいました?」
森重さんが言うのへ、林さんが「あ。彼女のコップ、もう空っぽだ」とおっしゃった。
それを聞いた塚田さんが、無言で席をお立ちになる。
「係長?」
林さんたちが怪訝そうに声をかけるのへ、
「彼女が酔っ払ったら僕が面倒を見るから大丈夫だって言って飲ませたのは君たちだろう?」
塚田さんは、言うが早いか立てずに困っていた私に手を差し伸べていらした。
私は何となくトイレに行きたくなってきて、皆さんに会釈してそっと席から立ち上がろうとした。けれど、身体を支えようと机についた手にも、床を踏みしめようと伸ばした足にも、嘘みたいに力が入らなくて驚く。
「あれれぇ?」
緊急事態のはずなのに、頭にもぼんやりとした霞がかかったようで、まるで危機感がわいてこない。
そればかりか、現状がおかしくなって思わず笑いまでこみ上げてくる始末。
「あ、藤原さん、もしかして酔っちゃいました?」
森重さんが言うのへ、林さんが「あ。彼女のコップ、もう空っぽだ」とおっしゃった。
それを聞いた塚田さんが、無言で席をお立ちになる。
「係長?」
林さんたちが怪訝そうに声をかけるのへ、
「彼女が酔っ払ったら僕が面倒を見るから大丈夫だって言って飲ませたのは君たちだろう?」
塚田さんは、言うが早いか立てずに困っていた私に手を差し伸べていらした。