あなたに、キスのその先を。
***
中本さんに叱咤激励されて、私は自分の在り方を省みる。
これまでの私は、確かに両親や神崎家の望む自分であろうと無理をしてきた気がする。
いくらお父様の恩人のご子息だからって……物心ついてから一度もお会いしたことのない健二さんに義理だてする必要なんてなかったはずなのに。
そんなことにすら、先般高橋さんに指摘されるまで私は気づいていなかった。
(どうして私、今まで自分の境遇に何の疑問も覚えずにのほほんと暮らしてこられたのでしょう!)
私は、古往今来本当に何にも知らないカゴの中の鳥だったのかもしれない。
中本さんに叱咤激励されて、私は自分の在り方を省みる。
これまでの私は、確かに両親や神崎家の望む自分であろうと無理をしてきた気がする。
いくらお父様の恩人のご子息だからって……物心ついてから一度もお会いしたことのない健二さんに義理だてする必要なんてなかったはずなのに。
そんなことにすら、先般高橋さんに指摘されるまで私は気づいていなかった。
(どうして私、今まで自分の境遇に何の疑問も覚えずにのほほんと暮らしてこられたのでしょう!)
私は、古往今来本当に何にも知らないカゴの中の鳥だったのかもしれない。