大嫌いなの 【完】
「っ…わ、わたし…葉月くんも大好きだけど…芽依のことも同じぐらい好きで…芽依が泣いてるのに私だけ幸せでいるなんて…できないよっ…」
ボロボロと涙を流しながらそう言う陽菜に私は…
「へー、よかったね。ふたりが別れて私はハッピー!陽菜も私が泣かなくなって喜ぶ。でも葉月くんは?葉月くんが泣いてても陽菜はどうでもいいの?」
ああ、私なに言ってるんだろ…。
こんなこと言いたいわけじゃ、傷つけたいわけじゃないのに。
「そ、それは…」
「私は、葉月くんの笑顔が好き。特に陽菜に向ける笑顔が好きだった。」
陽菜を愛おしそうに見るあの眼差しが、あの笑顔が、私に向けられたらどれだけ嬉しかったか…。