大嫌いなの 【完】
私はただ、早くこんな気持ちをなくしたくて2人を利用している悪者だから。
「ほら、早く葉月くんのところへ行きなよ。」
「っ…芽依…大好き…ごめんね。」
陽菜は私にギュッと抱きついてくる。
「抱きつく相手が違うでしょ?」
私がそう言うと陽菜は顔を真っ赤にして慌てた。
「だ、抱きつかないよ…!」
「はいはい、いってらっしゃい。」
陽菜の背中を押してさっさと行けと目で伝える。
「っ…私、ちゃんと葉月くんと幸せになるから…だから…」
陽菜はそこで止めてなにも言わない。
なにが言いたいのだろう。もう邪魔しないでと、言いたいのだろうか。
「芽依も…すぐにとは言わないから自分が思う幸せを掴んでね。」
そうふんわり笑った陽菜に私はただなにも言わずに笑って返した。
陽菜が走ってどこかに行く。
きっと葉月くんのところにでも向かったのだろう。