大嫌いなの 【完】
その笑顔が私に向けられたら…、なんて考えている自分がバカみたい。
「陽菜、今日は早いんだね。どうしたの?」
「日直なの!頑張って早く起きたんだ~!」
ふわっと風が吹くと陽菜の胸まである髪がなびいた。
私の髪は結ってあるからそこまで揺れなかった。
陽菜の髪が揺れるとその姿が絵になる。
そんな陽菜を見つめて頬を赤くしている彼から目を背けた。
「…じゃあ、急がないと。遅れるよ?」
「あぁ!そうだね!またね、芽依!」
陽菜はニコッと笑って教室に向かって走った。