『191ヶ月13日の命』
四十九日に彼を天国に見送った今、私は事故当日からの数ヶ月間、たくさんの方々に助けられ、励まされてきました。たった一言で表せるものではありませんが、本当に皆に感謝の気持ちでいっぱいです。

そして事故が起きた事を知らせてくれた彼の先輩にもすごく感謝しています。
もしあの日、あの時に教えてもらえてなかったなら、私は搬送先の病院や彼のその時の状態を知る事ができず、もしかしたら突然の『死』の連絡を受ける事になっていたかもしれません。
彼の先輩が"すごく言いにくかった"と言った通り、本当に伝えるのは辛かったと思います。それでも教えてくれた事に私は今でも本当に、ただただ「ありがとう」という気持ちでいっぱいです。

彼が亡くなった時、本当に自分自身これから"どうやって生きていこうか"とすごく悩みました。

頭ではちゃんと"彼の分も頑張って生きよう"と分かっているはずでも、気持ちが全くついていかず、"笑顔で頑張らなくちゃ"と思えば思うほど、彼が居ない今、これから先が真っ暗に見えてしかたがありませんでした。なによりも、お通夜、告別式で彼に『さようなら』を言う事が1番辛かったです。
でも、彼の姿が自分自身の目で見えなくなっても、彼の体温を直接肌で感じる事が出来なくても、心の中でずっとずっと一緒なんだと思いました。

私にとってすごく大きな存在の彼は天国に逝っても必ず守ってくれると思うし、私達が知らない世界で彼も頑張ってくれていると私は信じています。


191ヶ月13日間、彼は強く生きた証を遺してくれました。

何よりも、彼と出会って沢山の大切なことを学んだことは、私の一生の宝物です。
彼の『死』が決して無駄にならないよう、上を見上げて、しっかり前へ進もうと思います。

そして私がこの本を書こうと思った理由はただ1つ。

私たちが皆必ず持っている「命」を大切にしてほしいからです。辛くなったり、生きる事に疲れた、死にたいと思った時に、残された人の事を考えてみてください。そして、生きたくても生きられなかった人の事をよく考えてみて下さい。
人間は皆、生きているから、辛い時だって何回もあると思います。でも、そういう時こそ"自分は弱くない!強いんだ!"と思って下さい。
そして、自分を産んでくれた親へ感謝の気持ちを持ち、今自分が生きている事の"幸せ"を感じてください。

1日1日を大切に生き抜いてください。

必要のない人間なんて居ないのです。
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