俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜


……もっと二人で一緒に、ゆっくりしていたかったな。

と、いうのが素直な本音。




そんなことを考えながら、ヤツの車が出て行った後の門を見つめ続ける。

「何ボーッと突っ立ってるんだ。中に入れ」と、親父に声を掛けられるまで。

だが、親父に言われたということが、ちょっとムッとくるポイントで。

『ったく。親父らがなずなを構うから、二人でゆっくり出来なかったんじゃないか』と、心の中で毒づいてしまった。



なんだか面白くないまま、部屋に戻る。

こんなことでムッとするのも、我ながら器が小さいとは思う。

もう日本に帰ってきたんだ。二度と会えないわけじゃない。これからはいつでも会えるんだ。

……なのに、ワガママになってしまうのは、何故なんだろうか。



そんな気持ちのまま、何気にLINEを開く。

八つ当たりじゃないんだけど、勢いで『もっと一緒にいたかったよ』と、なずなにメッセージを送信してしまった。



(……)



……いや、俺、女々しくない?



そう解釈してしまうと、なんだか急に恥ずかしくなってしまい、スマホをベッドにぽんと放り投げてしまった。

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