俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜

その姿を改めて目にして、再び胸が熱くなって震える。

昨日、再会を果たしているはずなのに。また、何度でも感動してしまうのだ。

『なずなが帰ってきた』という、喜ばしい現実に、何度でも。

じーんとして、しばらく立ち尽くす。

そして、そんな俺の口から出て来た言葉は。



「お、おかえり……」



感動のあまり声が震えた返答に、なずなは「はぁ?」と顔を顰める。



「何で今帰ってきたおまえが『ただいま』じゃなく『おかえり』なんだよ。共働き夫婦の子供によくある現象になっちゃってるじゃんか」

「……」

散々待っていたこっちの気も知らないで、よくもまあズケズケと言ってくれる。

だけど、そんな辛辣なセリフを口にするのも、やはりなずな。

少しも変わらないなずなの様子に、しょんぼりするよりも喜んでしまっている俺。

なずながそこにいれば、酷く貶されても今はまあいいかと思えてしまうのだ。



「で、家で何してたの。掃除?」

「まあな。しばらく留守にしてたし、人も来るから掃除機ぐらいでもかけとこうかなって思って」

「俺が来るからわざわざ掃除してくれたの。ありがとう。嬉しい」

「なっ!……調子にのんなよ、この伶士ぃっ!」
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