俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
俺の調子に乗った発言に、なずなはカッとムキになって吠える。
持っていた掃除機で小突かれてしまった。
……いや、調子に乗りましたね。あまりにも嬉しすぎて。
「取り敢えず座れよ」
そう言って、なずなは冷蔵庫を開けている。お茶でも出してくれるようだ。
「うん」と返事をして、部屋を見渡す。前にきた時も思ったけど、ソファーとテーブル以外余計なものは置いておらず、スッキリとシンプルでごちゃごちゃしていない。
ソファーにでも座るかと、カバンを下ろしたその時。ふと視界に入ったものがあった。
気になってしまい、動きを止めてじっと凝視する。
それは、棚の上に飾られていたおじさんの写真だった。
フォトフレームにきちんと入れてある、音宮のおじさん……なずなの父、単独の写真。
ソファーには腰掛けず、引き寄せられるようにフラフラと写真のもとへと向かう。
目の前のフォトフレームの写真は、おじさんの笑顔の写真だった。
まるで、陽だまりのような……暖かい笑顔。
(おじさん……)