俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
「おっさんの写真ずーっと見つめて、何か楽しいか?」
なずなが横からにゅっと顔を出す。表情が少々呆れ気味だ。
「いや、その……」
「おっさん趣味ということにしといてやるか?私の彼氏、男色オジ専っつーことで。くっくっ……」
「んなわけ」
だが、俺の弁解を聞く間も無く、何故か失笑してなずなは向こうに行ってしまった。
今も「クックッ……」と、怪しく笑っている。一人で勝手にツボに入っちゃった。
今のどこが面白いの?自分の彼氏、男色オジ専だったら実際笑えないぞ?
ワケわからん。
今度はこっちが呆れながらも、でも。
そんななずなを見て、笑みが溢れてしまうのは何故だろうか。
それは、恐らくきっと。やっと戻ってきた尊い日常に対する安堵なのだろう。
……ここから、また。ゆっくりと再び動き出す。
君が傍にいることの幸せを噛み締める、毎日が。
おじさんの笑顔の写真を横目に、再び決意をする。
……おじさん、俺。幸せになるよ。
尊い日常と護りたいものがある、この世界で。