俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
コンコンが気持ち速くなっている。音の主は余程せっかちのようだ。
わわわ。
勝手に急かされてしまい、慌てて姿見の方へ赴く。
そして、そのカバーである布を恐る恐ると捲った。
「……うわっ!」
『は?え?……きゃああぁぁっ!』
有り得ない事態に、互いに悲鳴を上げてしまった。
布を捲った鏡に映っていたのは、俺の顔……ではない!
「な、な、な、何?何?」
『やあぁぁー!誰?何?きゃああぁっ!』
全く別のもの。見たことのない女性が鏡の中にいたのだ。
俺を見るなり、両手で顔を隠して、最上級の悍ましい悲鳴をあげている。
何だなんだ?何これ!……何故、鏡の中に女性がいる?!
有り得ない現状に呆然としていると、俺の背後では「うーん……」と、声が聞こえ、モソモソと気配がした。
ヤツだ。
「何だよ、うるせえな……あっ!伶士、おまえ何してんのよ!れ、蓮華も!」
事の状況を把握したのか、ヤツは飛び上がるように起きる。
「え?何してんのって……え?何?俺……」
「あほ!勝手にここを開けるな!」