俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
え?俺、何故怒られる?
『やだもうー!何で裸の殿方がいるのー!見ちゃったじゃないのよ、もうー!』
「って言いながらも、指の隙間からまだ見てんだろうが!蓮華さんよ!……伶士、服着てこい」
「え?」
「……いいから、着てこいぃぃっ!」
そうして。何故か怒られてしまった俺は、裸のまま慌てて部屋を出て、リビングで慌てて服を着る。
なずなの服と下着もしっかり持って、今一度現場へと戻った。
……だが、プチパニ状態は続き、心拍数もバクバク上がっていた。
鏡の中に、若い女性がいた。同じ年頃の。赤茶色のサラサラロングヘアの美女がいた。
……何故だ!
脳内こんがらがって何も解決しないまま現場に戻ると、なずなはすでに服を着ていた。クローゼットに入っていた服を着たのだろう。
ベッドに腰掛け、鏡と正面向き合っているよう。
鏡の向こうには……まだいる。正体不明の美女が。
「あの……」
そっと近づくと、なずなが「あぁっ!」と声を上げる。
俺の手にあった、自分が脱ぎ散らかした下着と服をひったくった。
「み、見るなよ!」
「……」