俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜

今一度振り返って、アイドリングしっぱなしのバイクに跨る連中を見る。

髪が明るく奇抜な若者たちだ。こっちを見てニヤニヤと嘲笑のような嫌な視線を向けている。



これが、不良……!

内心で軽く興奮してしまった。



実は、俺。セレブという育ちのせいで、不良と呼ばれる連中とは無縁な場所で生きていた。

本場のヤンキーを生で間近で見たことがないのだ。

……え?一番近くにいるだろって?

でも、なずなは自称ギャルだし女だろ。

漫画に出てくるような、イカついボコボコに喧嘩する不良にはまだお目にかかったことがない。ゴリゴリの頭イカれたような悪い若者に。ゴルァァ!なんて叫ぶような不良。

セレブ学園を出て、平民の高校に進学はしたもの、いたのは椎名先輩のようなちょい悪程度の不良ぐらいだ。

だって、そんなゴルァァ連中が俺に近付いてきたら、邂逅する前に執事やSPらが処分してしまう。

本場のヤクザは見たことあるけどね。木嶋さんとか。

でも、怖いモノ知らず感のあるイキった、ある意味世間知らずな若者らにお目にかかったことがなかったのだった。

< 39 / 73 >

この作品をシェア

pagetop