俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
「おい、シマッピと繋がったぞ?アイツ、今出てくるってよ?……着いてこいや、コラ」
スマホを手に持った不良が、ガタガタ口論していたこちらにそう告げる。
ニヤニヤと嫌な笑みを振り撒いたまま。
それに「はぁっ?!」と、遺憾の様子を見せるのはなずなだ。
「何勝手に呼んでんだよ!知らねー!……伶士、行くぞ。こいつらには構うな。無視だ」
「あっ」
なずなは早々に俺の手を引いて、その場を去ろうとする。だが、他の不良らが行く手を阻むように現れた。
「るっせぇな、なずな。シマッピはおまえに用があるんじゃねえよ。そっちのさわやかイケメンに用事があんだよ。な?」
最後の「な?」と同時に肩をポンと叩かれる。気付いたら、俺の左右共に不良らが至近距離で立っていた。
両サイドからタバコ臭い。の、だが。
「え?俺に話?」
話しかける対象が急に俺に移ったことで、初めて言葉を発してしまった。
「そうだ、おまえだ?あぁ?顔貸せやコラ」
「今おまえの付き合ってるなずなはなぁ?俺らのダチの元カノなんだよ。そいつがおまえに挨拶したいってよー?」