俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
両サイドからタバコ臭プラスで、言葉が飛び交う。
「俺に挨拶……」
オウム返しで呟くと、「そう!そう!」と右サイドの不良がぐいっと乱暴に肩に手を回してきた。
そして、左サイドの不良が俺の背中を叩いてくる。
「そゆことで?シマッピが待ってるから、さ、行くか」
「待ってる?どこでですか」
「まあまあまあ、来いよ」
「はぁ」
来いよと告げられる前から、肩に回された手と背中を叩く手が俺の体を押して、否応なしに前進させられる。
どっか連れて行かれる系?拉致されるの?
否応なしに拉致される羽目となり、別に慌てはしないのだけど、なずなとの時間が減るという点では、少々面倒くさいかもしれない。
……とは、思いながらも。
純粋にシマッピ先輩を生で見たいという気持ちはあるから、会ってもいいとは思った。
聞いてみたいこと、言いたいこともあるからな。
なずなの今彼として。
なので、敢えて拉致されてみる。
シマッピ先輩への興味の方が勝ってしまった。
「……コラおまえらぁっ!なに伶士連れてこうとしてんだ!」
「おーっと、なずな。ここからは男同士の時間だぞ?おまえは家に帰ってろ?」