俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
「……ふざけんな!」
俺が不良に囲まれて拉致されて歩いているその後ろを、なずなは文句をたれ怒鳴り散らしながら着いてきていた。
非常に不機嫌となってしまい、俺の背中や不良らを睨み付けながら、殺気を撒き散らしている。
そして「余計なことしやがって!」だの「男同士の時間?くだらねえ!」だの、ふざけんなだの死ねだの喚き散らすもんだから、不良の一人に「てめえ、うるせえんだよ!」と怒鳴り返される。
だが、そこで萎縮することなくうちのなずなさんは「あぁ?」とまた睨みを効かせて彼に凄み、仕舞いには八つ当たりで彼の単車におもいっきり蹴りを突っ込んでしまった。
不良の「あぁっ!」という切ない悲鳴と、ガシャーン!と単車の倒れる大きな音がして、全員思わず振り返ってしまうほどだ。
相当ご立腹ですね。あわわ。
……だが、すまん。なずなを怒らせてまでも、俺は興味本位でシマッピ先輩を見てみたいし、聞きたいことや言いたいことがあるのだ。
それに……いつまでもなずなに恥をかかせているわけにもいかない。
そうして、不良らとタバコ臭さに囲まれて歩くこと数分。
目的地に到着したのだった。