俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
連れていかれた場所とは、いまや寂れたともいえる商店街だった。
多くの店舗がシャッターを下ろしている。営業中はもはやひとつふたつのみだ。
そんな人通りの少ない道を、不良とバイクの集団が歩く。大きい通りでは誰もが二度見するような集団も、このひっそりとした場所では不思議と違和感はないようで。
寂れた商店街の一本裏の道に入る。
そこは、薄暗い空き地。しょぼしょぼと草が所々に生えている野っ原だった。
そこに……待ち構えていたのだ。
「来たか、このヤロー!」
「ゴルァァ!」
おっ。おおっ!
初っ端から期待通りのお出迎えだ。本場のゴルァァ!初めて聞いた。
不謹慎だけど、ワクワクが隠せない。
目の前には、俺をここまで連れてきた不良たちのような人たちが、更に数を増やしてだらしなくバラッと並んでいる。ざっと10人ぐらい。
ガムをくちゃくちゃと噛んでいる不良、しゃがんでタバコを吸ってる不良、様々だ。
「来たかじゃねえよ!めんどくせーな!」
背後からすかさず、なずなが怒号を飛ばした。引き続きイライラ絶頂。ご立腹のようだ。