俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
単車に跨ったまま、空き地の野っ原にいる俺たちの真ん前に登場した。
それは誰なのか。その顔を見たら一目瞭然だ。
「おぉっ!シマッピ来たか!」
「てめえ、遅いぞコラ!」
仲間にもコラ言うのか。
不良どもが声をあげて出迎える中、真打ちの顔を目にすると、俺の内心はここ一番で盛り上がっていた。
……とうとうだ。とうとう逢えたぞ。
まさに輝樹からの写真の通りじゃねえか。いや、生で見るとそれ以上の迫力だ。
なずなの元彼、顔面凶器・シマッピ先輩!
(おおぉぉ!)
ゴツゴツの四角い大きな顔で眉も細い。目つきも顔つきも悪い。
何て言ったら伝わるんだろう。フランケン?ゴリラ?ゾンビ?先駆け男塾?……あぁ、良い表現が思いつかない!
取り敢えず、顔面凶器の名の通り、恐ろしい顔だ。顔が醸し出す威圧感で、子どもは泣くどころか失禁も失神もするだろう。
とっても怖い顔!
出逢えた喜びと顔面凶器ぶりに思わず吹き出しそうになる。でも、それは失礼なので死ぬ気で笑いを堪える。気持ち顔を逸らして、口元を覆って。
生・シマッピ先輩だ……!