俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
「あれー?今更ビビっちゃってんのー?カレシくんー?」
「シマッピにビビらねえヤツなんていねえってぇの!」
歓喜と嘲笑のあまり出た俺の仕草は、どうやら不良らにとってはビビって怯んだように見えたらしい。
ビビるわけないだろう。俺は頭にツノが生えた筋肉ムキムキ異世界生物とも対峙したんだぞ。それに比べれば人間などひよっこだ。
だが、そんなことを知る由もないシマッピ先輩は俺を見て鼻で笑ったのち、背後にいるなずなを見る。
「よぉ、なずな?こんなイケメンな男連れてるなんてよ、さぞリア充なようだなぁ?あぁ?」
「シマッピ先輩……!」
「まさか?おまえが面食いだったとは思わなかったぜ?……男は顔じゃなかったんじゃねえのか!」
「……おまえは、顔も中身も最低だろが!」
「んだと、ゴルァァ!」
「なずな、てめえシマッピに相手してもらった恩忘れたか!」
「はぁっ?!恩ってなんだよクソヤロー!」
今度は、なずなに不良どものゴルァァが向けられた。シマッピ先輩をフォローするゴルァァだ。
しかし、元カレのシマッピ先輩に対してもそんな攻撃的な態度なのか。
別れ方が余程、壮絶だったようにも思える。