俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
なんと!ここにいる不良ら全員を、なずながボコボコしたっていうのか!
陰陽師パワーを携えているとはいえ、女子一人で不良集団をボコボコとは。
かつて、ニシローランドゴリラ先輩にくらわせた腹パンと踵落としを思い出す。
「あぁ?おめーらが弱すぎんだよ!」
なるほど。
漫画に出てくるような強い猛者とは、実はおまえだったのか?なずな。
……しかし、自分らよりなずなの方が強いと自覚してるあたり、コイツらもどうなんだ。プライドが高いようで低いな。
感心して、背後にいるなずなを見つめてしまう。
「あぁ?何見てんだ?」と、怒られてしまった。
だが、その仕草が彼らの目に留まったらしい。
「おいおい、何なずなに助けを求めてんだよー!」
「今更ビビったって遅ぇぞ?!」
「……」
ビビってないわ。
そこへ、シマッピ先輩も「ふふっ」と顔面凶器の澄まし顔で笑うのだった。
だから。その顔で澄ましてんのやめて。
「……それに、女のおまえが男同士の話し合いに首突っ込むなんて野暮なこと、おまえはしねえよなぁ?」
「くっ……卑怯な!」
え。そこ、何で怯むの?
女のおまえ、男同士の話し合いに入ってきても全然良くね?
おまえも、ヤンキーのしがらみに縛られてんじゃねえか!