俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜

ゴルァァ!と叫びたい

★★★




「まあまあ、こっちこいよ」



そうして、シマッピ先輩とそのお仲間不良に囲まれて、ここから少し離れたところに連れていかれた。

しがらみに縛られたなずなを、一人置き去りにして。

様子が気になって、チラッと振り向くが……ぽつんと一人寂しく取り残されてはいるもの。

その表情は、先程と変わらず殺気に塗れた視線をこっちに送り続けている。

「グルルル……」と、喉を鳴らして威嚇をする、今にも噛みつきそうな狂犬のようだ。

……あぁ、そういや。こいつ。俺のボディガードだっけ。

護衛対象の俺が、万が一危害でも加えられたりしたら、ボスの命によりヤツには減俸という仕打ちが待っているのだ。(この設定、少し忘れてた)

俺がビンタのひとつでもされたら、ヤツはこっちに飛び掛かっていく勢いだと思う。

今はヤンキーのしがらみで動けないだけ。っつーか、そんなくだらないモノに縛られるんじゃない!

……しかし、なずなのその怒りの矛先は元カレや不良たちなのか。はたまた、この誘いにのこのこ着いて行った俺なのかは不明だ。


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