俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
何より、なずなを辱める発言が許せない。
顔面凶器のくせに。
……重いのは処女じゃなくて、おまえの顔面だよ!
だが、ここで怒りに囚われていては、冷静さを欠く。
俺には、この顔面も中身も最悪な男に聞きたいことがあるので。
自分自身から怒りを逃すように深く息を吸って吐いて呼吸を整える。
「シマッピ先輩」
ようやく俺が一言発して反応したので、目の前の顔面凶器は「おっ?」と、楽しそうな表情をする。
「何だなんだ?イケメンくん。俺の名前、聞いてたか?」
「シマッピ先輩、本名は何ていうんですか」
「……はぁ?」
うん。これが聞きたかった。写真で初めてお会いした、その時から。
まるでカエルのキャラクターのようなニックネームで呼ばれているが、その原形は如何程か。すごーく興味があった。
本名を訊かれたシマッピ先輩は、驚きで目を丸くしていたが、横にいる不良がイキって俺に怒鳴り返す。
「あぁ?シマッピの本名知らねえってか!リサーチ甘ぇよ!……コイツはな?巷で有名な島田修だよ!覚えとけ!」
「しまだおさむ……」
なんだ。普通だ。