俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
これでなずなの不安も解消されて。
今日、再会したことで俺が心の隅に抱えていたほんの些細な不安も……消し飛んだ。
「剣軌とフィリピンで一緒に暮らさないかって言われたんだけど……それは出来ないって断ったよ。私も剣軌も日本でやらなきゃいけないことあるし」
「……それでよかったの?」
俺の横で母さんがそう聞き返す。
良いとか悪いとか、余計な確認するんじゃない!と、心の中でムッとしてしまったが。
だが、なずなは躊躇いもなく頷き返す。
「もちろん。私の居場所は、ここだから」
……その一言に、どれだけ安堵したか。嬉しかったか。
どれだけ俺を喜ばせるのか、こいつは知る由もないんだろうな。
「そうね?ここには士朗さんも柊斗さんもみんないるしね?」
「そそ。それに私には陰陽師の仕事もあるし。……そういうわけで、ママたちの休暇が取れたら剣軌が費用全額持ってみんなを日本に招待することになったんだ!」
「まあ、それは楽しみね!」
そう遠くはない未来の話に、なずなと母さんはほんの少し盛り上がっていた。