俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜

やれやれ。何だそのしがらみ。

俺は別にシマッピ先輩に下手くそ疑惑をかけただけで、そこのアナタに疑惑をかけたわけではない。

不良って、連帯責任なの?無責任だよ、そんなの。シマッピ先輩、アナタの何?神?

語尾にゴルァァは完全に口癖となってしまった。



だが、そこで連帯責任のアナタである男が「ゴルァァ!」と俺を威嚇してくる。

勢いそのまま、俺の胸ぐらを乱暴に掴んで引っ張り上げた。

体が前に引っ張られ、ガクンと揺れる。

同時に、背中の方角から「あぁっ!」と、叫び声が聞こえた。

……ヤツだ。

振り向かなくてもわかる。



「てめえら……そいつに手を出したらどうなるかわかってるか……減俸、私のカード払いがかかってるんだぞコラ……伶士も伶士だ……男同士の時間だか何だか知らねえが、イキッて調子に乗ってんじゃねえぞ……」



恨み節のようにブツブツと聞こえてくる。こわい。

現在、ヤツも殺気を撒き散らしてヤル気十分だ。振り向くことが出来ないので顔は見えないが、どんな恐ろしい顔をしてるかは想像がつく。

俺への苦情が含まれていたのは、聞かなかったことにしよう。

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