俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜

ホント意味わからないことだらけで、腹立たしい。

こっちもグッと目を細める。



「……なんすか」

「あぁ?なんだその太々しい態度は!俺たちを誰だと思ってんだゴルァァ!」



わざと太々しくしてるんだよ。

胸ぐらを掴み上げられたところで狼狽えもせず、相手の言葉の通り太々しく、目を細めて目の前の男をジッと見る。

慌てることもない俺の態度が気に入らないのか、目の前の男はますますお怒りのようで。

そして、俺も。相手をもっと怒らせるようなことを言う。



「え、誰ですかアナタ?リサーチ不足でわかりません」

「んだと!……てめえ!」



ちょっとふざけてみると、単純なアナタの怒りは頂点に達したようだ。

俺を胸ぐらを掴んだまま後方に突き飛ばす。

「あぁ!この!」

胸ぐらを離したその手は拳を作り、俺に向けられていた。

ーー今だ。



降り落ちてくる拳を、体を横に逸らしてひょいと躱わす。

「あっ……おごっ!」

回避されてバランスを崩したところを見逃さず、相手の腹めがけて足を振り上げ、左膝をぶち込んでやった。

……これ、正当防衛になるよね?
< 63 / 73 >

この作品をシェア

pagetop