俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
ホント意味わからないことだらけで、腹立たしい。
こっちもグッと目を細める。
「……なんすか」
「あぁ?なんだその太々しい態度は!俺たちを誰だと思ってんだゴルァァ!」
わざと太々しくしてるんだよ。
胸ぐらを掴み上げられたところで狼狽えもせず、相手の言葉の通り太々しく、目を細めて目の前の男をジッと見る。
慌てることもない俺の態度が気に入らないのか、目の前の男はますますお怒りのようで。
そして、俺も。相手をもっと怒らせるようなことを言う。
「え、誰ですかアナタ?リサーチ不足でわかりません」
「んだと!……てめえ!」
ちょっとふざけてみると、単純なアナタの怒りは頂点に達したようだ。
俺を胸ぐらを掴んだまま後方に突き飛ばす。
「あぁ!この!」
胸ぐらを離したその手は拳を作り、俺に向けられていた。
ーー今だ。
降り落ちてくる拳を、体を横に逸らしてひょいと躱わす。
「あっ……おごっ!」
回避されてバランスを崩したところを見逃さず、相手の腹めがけて足を振り上げ、左膝をぶち込んでやった。
……これ、正当防衛になるよね?