俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜

俺の膝蹴りをもろにくらった彼は、変な呻き声をあげて地に倒れていく。

その様子を見ていたシマッピ先輩ら他は、「うおぉぉーっ!」と雄叫びを上げるのだった。



「うおおぉぉーっ!カナタ!」

「やりやがったなっ!……てめぇぇっ!」

「ゴルァァ!」

無責任なアナタじゃなくて、カナタっていうのか。彼。



今の膝蹴りが開戦の狼煙となったのか、俺を囲んでいたその他の連中がゴルァァ叫びながら、一斉にズンズンと俺の方へと距離を詰めてくる。

だから、近い。顔の距離といい、アンタら距離感ないの?

と、言わせて貰える間もなく、今度は一番近くに来たヤツが殴り掛かってきた。

だが、そんなへなちょこパンチを繰り出されても困る。そんなものは手を振り払って叩き落とし、代わりに俺の右ストレートを顔面にお見舞いしてやった。

「ぐはぁっ!」

また変な呻き声をあげて、後方に吹っ飛んでいった。

と、思ったらまた「ゴルァァ!」と叫びながら違う方向から拳が飛んでくる。それは一歩後退するとさっきのように拳が空を切って、勝手にバランスを崩してくれる。

そこをまた見逃さずに腹パンをお返しする。
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