俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜

「は、離せっ!」

俺に拳を力づくで鷲掴みにされたまま、身動き取れないシマッピ先輩は、段々焦りの表情を見せている。

鼻で笑ってバカにしていたへなちょこイケメンに、まさか力で圧倒されるなんて思いもしなかっただろう。

……そして、最後にトドメの一言でもかけてやるのだ。



「シマッピ先輩」

「な、なんだ!は、離せ!てめぇぇ!」

「俺、早くヤリたいんで、もう帰りますね?さよなら」

「はっ……」



俺の言ってることがわからないのか、目を見開いて首を傾げた、その瞬間。

その掴んでいた拳を一気に引き寄せて、渾身の右ストレート(といっても、力は七割ほど)を、そのブ……げふっ、顔面凶器フェイスに一発ぶち込んでやる。

俺の繰り出した拳は、見事にシマッピ先輩の広い頰に炸裂し、歪んでここ一番の凶器ぶりへと顔のカタチを変えて、シマッピ先輩は後方に綺麗に吹っ飛んでいく。

バターン!と、仰向けにぶっ倒れたシマッピ先輩。背中と大地が仲良しとなった。

それを見届けて、俺は奴らに背を向ける。

その場を後にして、向こうに立ち尽くすなずなの方へと身を進めた。

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