俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜

「しかし、アイツらと関わるとか非常にめんどくせーぞ?シマッピ先輩ぶん殴ってよ」



そう言って、なずなは呆れた様子でゴルァァ大合唱の方向を眺めている。

俺も一緒になって目をやると、連中はゴルァァゴルァァ叫びながら、こっちに向かってぎゃいぎゃい物申している様子だ。

だからと言って、こっちに近付いてくる奴は一人もいない。

ホント、よく吠える弱い犬……。



「アイツら、しつこいぞ?」

「え?」

「仲間増やして追いかけてくるぞ。そういう連中だからな?」

「あ、それは大丈夫。後は忠晴に処分させるから」

「……へっ?」

「ほら、あそこ」

「ええっ!」



俺の指差した方向は、空き地の外。

そこには、執事服を身に纏った忠晴が、背筋が伸びた綺麗な姿勢で立っていた。

俺たちに向かってゆっくりと腰を折っている。



「な、何で?なんで忠晴さん、こんなとこにいんの?!」

「だって、俺の執事だから」

「え?!執事だからって……だからって、何処にでもいるのかって!」

「え、いるだろ。だって執事だよ?」

「……普通、いねーよ!」
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