俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
……それから、陽が傾いてからお客様が現れ、なずな待望の焼肉パーティーが始まった。
の、だけれども。
「……ああぁぁっ!おまえ、何やってんだよ!肉、高級肉焦げるだろがぁぁ!何度やれば気が済むんだよ!」
「あはは」
なずなの痛ましい悲鳴が、先程からちょくちょく響き渡っていた。
それもそのはず。
現在、我が家のウッドデッキ側の室内バーベキュースペースでお客様と共にバーベキュー開催中なのだが。
『あれ、なずないるの?じゃあ俺が張り切って肉焼いちゃう!』
だなんて、珍しく日の入り前に帰ってきた兄貴が出しゃばってしまい、パーティー開催と共に積極的に肉を焼き始めてしまった。
自ら、肉奉行を買って出る。
しかし、いつもの兄貴の調子で、ご機嫌にくっちゃべりながら焼くもんだから、気付いたらカルビが丸焦げになってしまったのだ。
それを見て、さっきからなずなが怒る怒る。
「……肉を焦がすなぁぁっ!」
美味しい美味しい高級肉が真っ黒になって、食べられなくなってしまうのが耐えられないのだろう。
ヤツの目は釣り上がりっぱなしだ。