俺のボディガードは陰陽師。〜第七幕・悪魔の愛〜
しかし、対する兄貴は「多少焦げても御愛嬌!肉ならいっぱいあるから」と、怒られても全然気にしちゃいない。
反省もしないので、同じことの繰り返し。ご機嫌にトークして油断していると、また肉が焦げた。
「でも、確かになずぽよの言う通りだな。頼智、おまえ肉焦がしすぎだわ。っていうか、先に油の少ないタンとか鶏を先に焼いて、油の多いカルビは後で焼くもんじゃね。油が炭に落ちてさっきから網炎上してるだろが。それに肉乗せ過ぎ」
さすがに肉を焦がし過ぎなので、兄貴の隣に座る本日のお客様が苦言を呈する。
お客様とは、幼なじみの瞳真くんだ。
大学の入試面接の後、父の柊斗さんに連れられてうちにやってきた。
柊斗さんは、奥のダイニングで親父や母さん、菩提さんらと和気あいあいで飲み会をしている。
だが、兄貴はそんな苦言にも屈さない。
「あはは!瞳真、言うねー?まあ、網炎上は俺のパフォーマンス、フランベっていうことで?」
「フランベし過ぎて真っ黒だけどな」
「呑気なことを言ってるんじゃねぇぇ!おまえらがくっちゃべってる間にも、肉がまたひとつ、またひとつ死んでるだろがぁぁ!」
なずな、また怒る怒る。