私のおさげをほどかないで!
「何で笑うんだよ」
ムスッとして言われて、
「だって……奏芽さんとそう言うの、何だか結びつかなくて」
クスクス笑いながら言ったら、「まぁ確かに基本は外食だしな」ってその方がストンと落ちることを言われた。
「いつも外食って味気ない感じしません?」
思わず言ってしまってから、「あ」って思った。
「まぁな。いつか凜子の手料理食わしてもらえたら嬉しいな?」
案の定そう言われて、ドクンッと心臓が跳ねる。
「あ、あのっ。だったら今度奏芽さんにもお弁当……」
言いかけて、彼氏でもないのに?って気付いて思わず口籠る。
「何で言いよどんだか当ててやろっか?」
奏芽さんが前方を見つめたまま何でもないことのようにそうつぶやいて、私は思わず「ダメっ」って彼の方を向いて言ってしまった。
「何でダメなんだよ?」
奏芽さんがちらりと私に視線を流したのが分かって、じんわり涙目になっているのに気付かれたんじゃないかとソワソワする。
「ごめんなさい、私がはっきりしてないから……です」
奏芽さんに、付き合ってもいない相手に軽々しくお弁当作りを提案してしまうような軽率な女だと思われたくなかった、って言ったら笑われるかな。
きっと口にするのを阻止したからって心の中でそう思われてしまったら意味のないことなのに、そうだと明言されるよりはマシだって思ってしまって。
ムスッとして言われて、
「だって……奏芽さんとそう言うの、何だか結びつかなくて」
クスクス笑いながら言ったら、「まぁ確かに基本は外食だしな」ってその方がストンと落ちることを言われた。
「いつも外食って味気ない感じしません?」
思わず言ってしまってから、「あ」って思った。
「まぁな。いつか凜子の手料理食わしてもらえたら嬉しいな?」
案の定そう言われて、ドクンッと心臓が跳ねる。
「あ、あのっ。だったら今度奏芽さんにもお弁当……」
言いかけて、彼氏でもないのに?って気付いて思わず口籠る。
「何で言いよどんだか当ててやろっか?」
奏芽さんが前方を見つめたまま何でもないことのようにそうつぶやいて、私は思わず「ダメっ」って彼の方を向いて言ってしまった。
「何でダメなんだよ?」
奏芽さんがちらりと私に視線を流したのが分かって、じんわり涙目になっているのに気付かれたんじゃないかとソワソワする。
「ごめんなさい、私がはっきりしてないから……です」
奏芽さんに、付き合ってもいない相手に軽々しくお弁当作りを提案してしまうような軽率な女だと思われたくなかった、って言ったら笑われるかな。
きっと口にするのを阻止したからって心の中でそう思われてしまったら意味のないことなのに、そうだと明言されるよりはマシだって思ってしまって。