私のおさげをほどかないで!
奏芽さんは結局私が落ち着くまでそっとしておいてくれて。
もしかしたら奏芽さん自身もその間に自分の気持ちに整理をつけていたのかもしれない。
車はいつの間にかバイト先のコンビニを通過して、奏芽さんの勤め先――鳥飼小児科医院が入ったビル近くにある、月極駐車場に停まっていた。
「ここ……」
見ると、50台ぐらい停められる駐車スペースのうち、30台分くらいは鳥飼小児科医院の契約スペースみたいで。
「うちの病院が契約してる駐車場。闇雲に走っても意味ねぇかなって思ったから一旦ここで小休止な。――ほら、俺も凜子も何か自分の感情が訳わかんなくて正直一杯一杯だったろ?」
情けねぇ……と小さく吐き出して、ハンドルにもたれるようにして私の方を見つめてくる奏芽さんが艶めいて見えて、私はドキドキしてしまう。
この人、こんなに……かっこ良かった?
「何ちゅーかさ……認めるの恥ずかしいけど俺たちって……結構初々しくね?」
奏芽さんが困ったように眉根を寄せるのを見て、チャラ男然とした彼の外見と、告げられた言葉のギャップに私は思わず吹き出してしまった。
「わー、凜子、何だよその反応。ひでぇー」
言いながら、奏芽さんも笑って……。
気が付けば、さっきまでの微妙な空気がいつの間にか払拭されてしまっていた。
私、こんな風に気負わずに人と話すの、どのぐらいぶりだろう?
もしかしたら奏芽さん自身もその間に自分の気持ちに整理をつけていたのかもしれない。
車はいつの間にかバイト先のコンビニを通過して、奏芽さんの勤め先――鳥飼小児科医院が入ったビル近くにある、月極駐車場に停まっていた。
「ここ……」
見ると、50台ぐらい停められる駐車スペースのうち、30台分くらいは鳥飼小児科医院の契約スペースみたいで。
「うちの病院が契約してる駐車場。闇雲に走っても意味ねぇかなって思ったから一旦ここで小休止な。――ほら、俺も凜子も何か自分の感情が訳わかんなくて正直一杯一杯だったろ?」
情けねぇ……と小さく吐き出して、ハンドルにもたれるようにして私の方を見つめてくる奏芽さんが艶めいて見えて、私はドキドキしてしまう。
この人、こんなに……かっこ良かった?
「何ちゅーかさ……認めるの恥ずかしいけど俺たちって……結構初々しくね?」
奏芽さんが困ったように眉根を寄せるのを見て、チャラ男然とした彼の外見と、告げられた言葉のギャップに私は思わず吹き出してしまった。
「わー、凜子、何だよその反応。ひでぇー」
言いながら、奏芽さんも笑って……。
気が付けば、さっきまでの微妙な空気がいつの間にか払拭されてしまっていた。
私、こんな風に気負わずに人と話すの、どのぐらいぶりだろう?