私のおさげをほどかないで!
時間を作ってもらえますか?
奏芽さんと「あまみや」で食べた料理は、今までの私は何を食べてきたんだろう?って思わず頭を抱えたくなるほどに美味しかった。
私は飲めないからよくわからないけれど、お酒に合う料理だったんじゃないのかな?とか思ったりもして。
奏芽さん自身、いつもならお酒を飲みながら食事を愉しまれるんだなっていうのが、雨宮さんが食前、彼にお酒を勧めていらしたことで何となく分かった。
奏芽さん、大学からここまで、私を送ってくださったから予定外に車で来てしまったんじゃ?と気づいた私は、にわかに申し訳ない気持ちになる。
私はまだ未成年なので、例え飲める環境だったとしても、奏芽さんと一緒にお酒をたしなむことは出来ない。でも……奏芽さんがほろほろとお酒を飲んでいらっしゃる横で、よく冷えたお茶を飲むのも素敵だったろうなって思ったの。
なのに、結局どちらの前にもよく冷えた烏龍茶のグラスが置かれていて――。
「すみません……」
結露が出来つつあるグラスの表面を指でなぞりながら思わず謝ったら、「酒なしってのもたまには乙なもんだ。それにな、凜子。ここは酒が飲めない客もちゃんと楽しめるようになってる」
ご自身の言葉に、雨宮さんが静かにうなずくのを見て、「な?」と頭を撫でてくれてから、「――それより、俺の方こそ気ぃ、遣わせて悪かったな」って言ってくれて。
「車、置いて来なかったのは俺の判断だろ? 凜子のせいじゃねぇかんな?」
って私のおさげにそっと触れる。
私は飲めないからよくわからないけれど、お酒に合う料理だったんじゃないのかな?とか思ったりもして。
奏芽さん自身、いつもならお酒を飲みながら食事を愉しまれるんだなっていうのが、雨宮さんが食前、彼にお酒を勧めていらしたことで何となく分かった。
奏芽さん、大学からここまで、私を送ってくださったから予定外に車で来てしまったんじゃ?と気づいた私は、にわかに申し訳ない気持ちになる。
私はまだ未成年なので、例え飲める環境だったとしても、奏芽さんと一緒にお酒をたしなむことは出来ない。でも……奏芽さんがほろほろとお酒を飲んでいらっしゃる横で、よく冷えたお茶を飲むのも素敵だったろうなって思ったの。
なのに、結局どちらの前にもよく冷えた烏龍茶のグラスが置かれていて――。
「すみません……」
結露が出来つつあるグラスの表面を指でなぞりながら思わず謝ったら、「酒なしってのもたまには乙なもんだ。それにな、凜子。ここは酒が飲めない客もちゃんと楽しめるようになってる」
ご自身の言葉に、雨宮さんが静かにうなずくのを見て、「な?」と頭を撫でてくれてから、「――それより、俺の方こそ気ぃ、遣わせて悪かったな」って言ってくれて。
「車、置いて来なかったのは俺の判断だろ? 凜子のせいじゃねぇかんな?」
って私のおさげにそっと触れる。