私のおさげをほどかないで!
「……平気、も何も……直接会って話したい、んだけど……な? あ、けど……の、のぶちゃんがどうしてもイヤなら……諦める」
のぶちゃんは、もしかしたら私と奏芽さんが既に付き合い始めていると気を遣っているのかもしれない。
彼氏がいるならば、彼以外の男性と2人きりで会うのは確かによくないものね。
そう考えたら、のぶちゃんらしいなとも思えてしまって。
「――あ、えっとね。私、まだ……その、誰ともお付き合いしてない、から」
それを言わないとのぶちゃんは会ってくれない気がして思わずそう付け加えたら、電話口から『まだ、ね』と吐息混じりの声がした。
その声に「あ……」って思ったけれど、のぶちゃんはそのことについてそれ以上は追及してこなくて。
代わりに
『いいよ。時間作る。――そうだな。明日の夜とかどうだろう? 仕事が終わって行けるようになったら僕から連絡するんで構わない? 多分19時ぐらいになると思うんだけど』
まるで何でもないみたいな、いつものふんわりした声音でそう問いかけられて、私は「それで大丈夫」って応えていた。
幸い明日もまだバイトのシフト、入っていない。
大学から戻ったら、のぶちゃんとしっかり向き合おう。
奏芽さんには……どうしよう。
言った方がいいのかな、明日のぶちゃんと会うことにしたって。
でも……まだお付き合いを始めたわけじゃないし、要らないことを言って変に気を遣わせたら申し訳ないかな。
奏芽さん自身から、自分は彼氏でも何でもないけれど、と前置きをされた上で「何かする時は連絡くれるか?」とお願いされていたことを、私はすっかり失念してしまっていた。
それが奏芽さんを余計にヤキモキさせてしまう結果になるなんて、その時の私は思いもよらなかったの――。
のぶちゃんは、もしかしたら私と奏芽さんが既に付き合い始めていると気を遣っているのかもしれない。
彼氏がいるならば、彼以外の男性と2人きりで会うのは確かによくないものね。
そう考えたら、のぶちゃんらしいなとも思えてしまって。
「――あ、えっとね。私、まだ……その、誰ともお付き合いしてない、から」
それを言わないとのぶちゃんは会ってくれない気がして思わずそう付け加えたら、電話口から『まだ、ね』と吐息混じりの声がした。
その声に「あ……」って思ったけれど、のぶちゃんはそのことについてそれ以上は追及してこなくて。
代わりに
『いいよ。時間作る。――そうだな。明日の夜とかどうだろう? 仕事が終わって行けるようになったら僕から連絡するんで構わない? 多分19時ぐらいになると思うんだけど』
まるで何でもないみたいな、いつものふんわりした声音でそう問いかけられて、私は「それで大丈夫」って応えていた。
幸い明日もまだバイトのシフト、入っていない。
大学から戻ったら、のぶちゃんとしっかり向き合おう。
奏芽さんには……どうしよう。
言った方がいいのかな、明日のぶちゃんと会うことにしたって。
でも……まだお付き合いを始めたわけじゃないし、要らないことを言って変に気を遣わせたら申し訳ないかな。
奏芽さん自身から、自分は彼氏でも何でもないけれど、と前置きをされた上で「何かする時は連絡くれるか?」とお願いされていたことを、私はすっかり失念してしまっていた。
それが奏芽さんを余計にヤキモキさせてしまう結果になるなんて、その時の私は思いもよらなかったの――。