私のおさげをほどかないで!
 確か二十歳(はたち)までは「子供のキスしかしない」と言われていたのに、それは明らかにそういうキスではなくて――。

「ぁ、は……、っ」
 口の中に奏芽(かなめ)さんの熱い舌が侵入してきたことにびっくりした私は、慌てて首を振って彼から逃げようとした。
 でも、それを阻止するみたいに後頭部に添えられた奏芽さんの手に編み込みを鷲掴(わしづか)まれて、それを(はば)まれてしまう。

「ん、んっ……まっ」
 奏芽さん、待って!と言いたいのに、喋れるような状態ではないの。

 腰が砕けたみたいに足に力が入らなくなって、その場にくず折れそうになった私を、奏芽(かなめ)さんの腕がかろうじて座り込まないように繋ぎ止めている。

 私がそんな状態になってしまっているのは分かっているはずなのに、奏芽さんは許してくれなくて――。
 ギュッと抱き留められたまま、私は奏芽さんに口蓋(こうがい)を責め立てられて、戸惑いに逃げ惑う舌を執拗に絡めとられ、追い上げられていく。

 奏芽さんの舌が口中を這い回るたびに、触れられたところからゾクゾクとした快感が身体を突き抜けてくるようで――。

 私は目端に涙を浮かべて、徐々にヒートアップしていく自分の身体を持て余した。

 下腹部がキュン、と(うず)いて……秘所から(あふ)れ出した()()が、下着を汚してしまったのを感じる。

 どうしよう、こんなの……知らなっ……。
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