私のおさげをほどかないで!
***
“駐車場で待ってる”
21時過ぎに予定通りバイトを終えて携帯を確認したら、奏芽さんからメッセージが入っていた。
言われなくても駐車場に彼の車が入ってきたの、店内から見て知ってる。
思わず顔がほころんで、谷本くんに「幸せそうで何より」ってからかわれてしまった。
「えっ」
その声に思わず谷本くんを見つめたら、「顔、にやけてたよ」って自分の口元をちょんちょん、と指し示しながら言われた。
思わず両手で口元を隠したら「彼氏できてからの向井さん、すごくいい顔するようになった! 元々美人だなって思ってたけど……最近は角も取れて話しかけやすくなったし」ってにっこり微笑まれた。
話しかけやすくも何も、結構谷本くんは奏芽さんとお付き合いする前から話しかけてくれてた気がするんだけどな?
そう思って見つめ返したら「だからっ。その目で俺を見るのやめてってば。マジしんどいっ」って慌てて顔を背けられてしまった。
何のことか分からなくてキョトンとしてから、“艶めいた目”というキーワードが頭に浮かんでハッとする。
そのつもりなんて全くないのに……どう気をつければいいの?
思っていたら「その様子だと今日はちゃんとお迎えありだよね?」って確認されて。
「あ、はいっ」
慌てて答えたら「じゃ、安心だ。お疲れ様。また明日ね」ってひらひらと手を振られた。
「お、お疲れ様ですつ」
慌てて頭を下げて谷本くんを見送ってから、「私も早く帰ろう」って思う。
奏芽さんと会えると思うと、それだけで気持ちがふわりと浮ついた。
“駐車場で待ってる”
21時過ぎに予定通りバイトを終えて携帯を確認したら、奏芽さんからメッセージが入っていた。
言われなくても駐車場に彼の車が入ってきたの、店内から見て知ってる。
思わず顔がほころんで、谷本くんに「幸せそうで何より」ってからかわれてしまった。
「えっ」
その声に思わず谷本くんを見つめたら、「顔、にやけてたよ」って自分の口元をちょんちょん、と指し示しながら言われた。
思わず両手で口元を隠したら「彼氏できてからの向井さん、すごくいい顔するようになった! 元々美人だなって思ってたけど……最近は角も取れて話しかけやすくなったし」ってにっこり微笑まれた。
話しかけやすくも何も、結構谷本くんは奏芽さんとお付き合いする前から話しかけてくれてた気がするんだけどな?
そう思って見つめ返したら「だからっ。その目で俺を見るのやめてってば。マジしんどいっ」って慌てて顔を背けられてしまった。
何のことか分からなくてキョトンとしてから、“艶めいた目”というキーワードが頭に浮かんでハッとする。
そのつもりなんて全くないのに……どう気をつければいいの?
思っていたら「その様子だと今日はちゃんとお迎えありだよね?」って確認されて。
「あ、はいっ」
慌てて答えたら「じゃ、安心だ。お疲れ様。また明日ね」ってひらひらと手を振られた。
「お、お疲れ様ですつ」
慌てて頭を下げて谷本くんを見送ってから、「私も早く帰ろう」って思う。
奏芽さんと会えると思うと、それだけで気持ちがふわりと浮ついた。