私のおさげをほどかないで!
***
ややして、奏芽さんはどうしたらいいの!?とモジモジ身じろぐ私に満足したみたいに小さくフッと笑うと、
「会えてねぇんだな」
ってつぶやいた。なんなの、エスパーかなにかですか!?
「ところで凜子。バス、間に合わなかったんじゃね?」
って、如何にももののついでみたいに言ってきて。
言われた瞬間、私が困ってるの、やっぱり知ってたんじゃないって思って、すごく腹が立ったの。
っていうか……だったら今の私がこんなことをしている場合じゃないっていうのも、分かるよね?
「そうよ! だから……離してっ! 私、急いで大学に行かないといけないのっ!」
再度奏芽さんの腕からすり抜けようともがき始めた私に、奏芽さんが「どうやって?」って静かに問いかけてきて、私はグッと言葉に詰まる。
「まさか走って行こうってわけじゃねぇだろ?」
畳み掛けるように言われたセリフに、ますます言葉を失って黙り込んだ。
「なぁ、俺が車で連れてってやろうか?」
奏芽さんがまるで満を持したみたいにそう言って私の耳元でクスッと笑った時、絶対確信犯だって思ったの。
だから――。
ややして、奏芽さんはどうしたらいいの!?とモジモジ身じろぐ私に満足したみたいに小さくフッと笑うと、
「会えてねぇんだな」
ってつぶやいた。なんなの、エスパーかなにかですか!?
「ところで凜子。バス、間に合わなかったんじゃね?」
って、如何にももののついでみたいに言ってきて。
言われた瞬間、私が困ってるの、やっぱり知ってたんじゃないって思って、すごく腹が立ったの。
っていうか……だったら今の私がこんなことをしている場合じゃないっていうのも、分かるよね?
「そうよ! だから……離してっ! 私、急いで大学に行かないといけないのっ!」
再度奏芽さんの腕からすり抜けようともがき始めた私に、奏芽さんが「どうやって?」って静かに問いかけてきて、私はグッと言葉に詰まる。
「まさか走って行こうってわけじゃねぇだろ?」
畳み掛けるように言われたセリフに、ますます言葉を失って黙り込んだ。
「なぁ、俺が車で連れてってやろうか?」
奏芽さんがまるで満を持したみたいにそう言って私の耳元でクスッと笑った時、絶対確信犯だって思ったの。
だから――。